立山黒部アルペンルートで登る雄山 完全ガイド|きっぷの予約・料金からお花畑・雪渓・みくりが池温泉泊まで
毎年どうしても行きたくなる山があります。イッチーにとって、それが立山です。今年は「お花を愛でながらのんびり登ろう」をテーマに、真夏の雄山(おやま)へ向かいました。
この記事は、長野県の扇沢(おうぎざわ)を起点に立山黒部アルペンルートで室堂(むろどう)へ入り、一ノ越(いちのこし)を経て雄山へ登り、その日はみくりが池温泉に泊まるまでの記録です。
立山でいちばん多くの人がつまずくのが、実は登山そのものではなくアルペンルートの仕組みです。きっぷの買い方、予約の期限、アイゼンの持ち込み方まで、公式の情報を読み解いて先にまとめました。そのうえで、深夜の駐車場から山頂の景色、そして温泉と夕食までをたどっていきます。
📋 この記事でわかること
🎥 今回の立山・雄山、動画でも公開中!乗り物リレーで室堂へ入り、6つの雪渓とライチョウ、みくりが池温泉までを約30分にまとめました。ぜひチャンネル登録もよろしくお願いします😊
※ 2026年7月24日(金)のYAMAP実測値。コース定数14=初級〜中級の目安です。
✨ この山行の見どころ
- 🎫 アルペンルートの攻略
WEBきっぷの予約期限、支払い方法の落とし穴、登山者向けの手荷物ルールまで整理しました。 - 🌸 お花のピーク
チングルマ、イワギキョウ、クルマユリ。登山道の両側が夏の花で埋まります。 - ❄️ 雪渓は6つ
7月下旬でも道を横切る雪渓が6か所。この日はチェーンスパイクなしで通過できました。 - ⛩️ 雄山神社の登拝
山頂の社務所で受付をして、標高3,003mの峰本社へお参りできます。 - 🐦 ライチョウ
下山路でごく近くに佇んでいました。ガスの日ならではの出会いです。 - ♨️ みくりが池温泉
公式に「日本一高い場所にある天然温泉」と紹介される宿。ドライヤーまで使える山小屋です。

山メシ隊長で、身体づくりのプロのイッチーです!立山は毎年でも来たい、ボクの大好きな山なんだ。今回は花がとにかく見事で、登りながら何度も足が止まっちゃったよ。そして泊まりはみくりが池温泉。夕食を楽しみに登るぞー!

ワシの庭のような場所じゃな。ただし諸君、勘違いしてはならん。乗り物で行けるのは室堂の標高2,450mまでじゃ。雄山の頂は3,003m。そこから先は自分の足で600m登るのじゃぞ。しかも一気に高度を上げるゆえ、身体が高さに慣れておらん。そこを忘れるでない。

雄山の登り、ガレガレで楽しそう!ボク先に行っちゃおうかな〜。山頂のカップラーメンも気になるし、下山したらケーキも食べるんだ!

そうそう、下山してからが本番だからね〜。みくりが池温泉は白濁の硫黄泉でね……ここのお湯、ほんとにいいんだよね〜。湯上がりの夕食まで含めて、この山旅なんだよ。
① まず最初の関門|立山黒部アルペンルートのきっぷと予約
立山の登山口である室堂へは、歩いて登るのではなく、立山黒部アルペンルートという乗り物のリレーで上がります。長野県の扇沢から入る場合、電気バス→ケーブルカー→ロープウェイ→電気バスと乗り継いで室堂へ。この仕組みが初めての方にはとても分かりにくく、当日いちばん慌てるポイントでもあります。
まず運賃です。公式サイトによると、扇沢〜室堂は大人 片道6,850円・往復12,300円(小人は片道3,430円・往復6,150円)。富山県側の立山駅まで通り抜ける場合は、大人 片道10,940円・往復19,680円です。決して安くはないので、後述の早割を使えるかどうかで差がつきます。
🎫 立山黒部アルペンルート 運賃(大人・取材時点)
扇沢〜室堂:片道6,850円/往復12,300円
立山駅〜扇沢(全線通り抜け):片道10,940円/往復19,680円
立山駅〜黒部湖:片道9,140円/往復16,480円
※小人はおおむね半額です。
※ 料金・営業時間は取材時点の目安です。最新は各公式サイトでご確認ください。(以降の金額も同様です)
次に予約です。WEBきっぷという事前購入の仕組みがあり、これを使うかどうかで当日の動きがまったく変わります。ここは公式の記載を正確に押さえておきたいところなので、要点を整理します。
📱 WEBきっぷの要点(公式サイトの記載より)
・購入期限:スタンダード商品は利用日前日の15:00まで。早割商品は利用日の5日前または10日前まで(商品により異なります)
・指定できるのは入口駅(扇沢駅または立山駅)の乗車時刻のみ。座席指定はできません
・復路や途中の駅からは、並んだ順での乗車になります
・支払いはクレジットカードの一括払いのみ(VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club)。デビットカードやプリペイド式カードは使えません
・受け取りは、購入完了メールのQRコードを入口駅の受取機にかざす方式です

ここで一つ、諸君に釘を刺しておくぞ。支払いがクレジットカードの一括のみという点じゃ。デビットもプリペイドも通らん。前日の夜に「買っておこう」として弾かれると、そこで詰むからのう。

ボクも前日までにWEBきっぷを用意しておいたよ。指定できるのは扇沢を出る時刻だけで、席は決まらないんだ。だから「予約したから並ばなくていい」じゃなくて、いい席に座りたいなら結局は早く並ぶことになるんだよね。

えっ、予約したのに並ぶの!?

そうじゃ。予約は「その時刻の便に乗れる権利」であって、席の確保ではない。そこを勘違いすると当日がっかりするぞ。
そしてもう一つ、登山者だけが引っかかるルールがあります。手荷物です。公式サイトは、他のお客さんの荷物を傷つけるおそれのあるものを持ち込めないとしていて、アイゼンやスノーシューをザックに直接取り付けたまま乗ることは認められないと明記しています。ケースに入っていないスキーやスノーボードも同様です。
「それは残雪期の話では?」と思われるかもしれません。たしかにアイゼンやスノーシューは春の立山の話です。ただし現地で売られている簡易カバーは「ポール・ピッケル・スノーシュー等」向けとされていて、夏に多くの人が使うトレッキングポールも、この仲間として想定されています。先端の尖ったものを外付けするなら、季節を問わず一度立ち止まって考えたいところです。
🎒 登山者が注意したい手荷物ルール(公式サイトの記載より)
・アイゼン・スノーシューなどをザックに直接装着したままの乗車は不可。カバーや袋に収めてください(主に残雪期に効くルールです)
・現地でも簡易カバーを購入できます:ポール・ピッケル・スノーシュー等(小)200円/スキー・スノーボード兼用(大)300円(いずれも税込)──夏はトレッキングポールがこの区分にあたります
・立山高原バス(富山県側の美女平〜室堂)では、大きなザックはトランクへの積み込みになります。貴重品の破損や水筒の水漏れに注意してください。扇沢から入る今回のルートでは、この区間は通りません
・ドローンの使用は一切禁止(トイドローンを含む)

えー、夏なのにアイゼンの話?ボク関係ないと思ってた!

アイゼンは確かに春の話じゃ。じゃがポールはどうじゃ。夏でも使う者は多かろう。先が尖っておるものは同じ扱いと思っておけばよい。

それとね〜、ザックがトランク行きになる区間もあるんだよね。富山県側から入る立山高原バス。今回の扇沢からのルートでは、ザックはずっと手元に置いたまま移動できたよ。でも富山県側から入るなら、貴重品とカメラは小さい袋に移しておくと安心だね〜。
運行時刻や当日の混雑状況は年や日によって変わります。計画を立てるときは、必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
🔗 計画に使う公式リンク
運行情報・時刻表・アクセス・駐車場・利用マナーは、いずれも公式サイトにまとまっています。特に利用マナーのページには、歩道以外に立ち入らない、高山植物を採らない、ゴミを持ち帰る、登山届を出すといった大切なことが書かれています。
🧭 登山届を出しておきましょう
雄山は乗り物で登山口まで入れるぶん気軽に見えますが、標高3,003mの一般登山道です。アルペンルート公式の利用マナーにも「登山届を出す」ことが挙げられています。YAMAPやコンパスからオンラインで提出でき、数分で済みます。行き先が分かっているだけで、万一のときの捜索がまったく変わります。
② 扇沢へ|駐車場は深夜で9割、始発は7時30分
ここからは当日の記録です。扇沢は立山黒部アルペンルートの長野県側の入口で、ここに車を置いて電気バスに乗り込みます。
まず知っておきたいのが駐車場事情です。市営の無料駐車場は第1が170台、第2が60台。今回は深夜0時に到着した時点で、すでに第1の9割が埋まっていました。朝5時には第2も、6時30分頃には有料の3つも、すべて埋まっています。
無料に入れなければ市営の有料駐車場へ回ることになります。料金は12時間ごとに1,000円。しかも支払いは現金のみなので、小銭と千円札は用意しておいたほうが安心です。





駐車場は本当にシビアだよ。ボクは深夜0時着でギリギリだった。「朝から行けばいいや」だと、有料も含めて全部埋まってることがあるからね。

前夜着が現実的じゃな。ただし車中泊をするなら、エンジンはかけっぱなしにせぬこと。夜通しのアイドリングは、隣で眠っておる者にとってなかなかの騒音じゃ。標高のある場所ゆえ夏でも夜は冷える。エアコンに頼らず、寝袋を一枚持つほうが快適じゃぞ。
ちなみに扇沢の駐車場は標高が高いぶん夜は涼しいのですが、それでも真夏は車内に熱がこもります。短い仮眠を少しでも快適にするために、イッチーが持ち込んでいるものを置いておきます。エンジンを切ったまま夜を越すための道具、という視点で選んでいます。
扇沢駅のトイレは、公衆・館内ともに無料でウォシュレット付きという、登山口としてはかなり恵まれた環境です。トイレのすぐ近くには、黒部ダムの破砕帯から湧き出た水を汲める場所もあります。





破砕帯っていうのはね〜、岩がくだけて地下水をたっぷり含んだ地層のこと。黒部ダムのトンネル工事で立ちはだかった難所として知られてるんだよね。その水がいまも扇沢で汲めるなんて、ちょっと贅沢だよね〜。
当日券の列は、5時台前半ならまだ短い状態でした。確実に当日券を取りたい方は、5時には並び始めるのが目安になりそうです。6時30分を過ぎるとWEB発券機のほうも混み合ってきます。
この日の始発は7時30分でした。臨時便は出ていません。始発の時刻は時期によって変わるので、事前に必ず確認しておいてください。






今回は「ゴーゴー!早割きっぷ」を使ったよ。扇沢と室堂の往復で11,300円。通常の往復が12,300円だから、1,000円うかせられる計算なんだ。有効期間は5日間だったよ。

1,000円あったら山頂でカップラーメン食べられるじゃん!

……おこちゃん、そのカップラーメンの話は後で出てくるから待っててね。
③ 乗り物リレー|黒部ダムからロープウェイで室堂へ
扇沢からは、電気バスで黒部ダムへ。そこから徒歩でダムを渡り、ケーブルカー、ロープウェイ、そしてもう一度電気バスと乗り継いで室堂へ向かいます。移動そのものが観光になっている区間です。
最初の電気バスから、いきなり洗礼を受けます。今回は先頭に並べたので一号車に座ることができましたが、それでも立ち席を含めた満員での出発でした。

この区間は、とにかく並んだ順なんだ。ボクは座れたけど、同じバスで立ったまま黒部ダムまで行った人もたくさんいたよ。1時間早く着くだけで、ここの快適さは全然変わるんだよね。

早起きは三文の徳ってやつだね!ボク寝坊しそうだけど……。
この日の黒部ダムは観光放水の時期でした。ただ、登山者の多くはダムの写真もそこそこに、次の黒部湖駅へ足早に向かっていきます。少しでも早く室堂に着いて、行動時間を確保したいからです。




乗り物がころころ変わって楽しい!登る前から遠足みたいだね!

浮かれるのは結構じゃが、ここで高度がぐんぐん上がることは覚えておくのじゃ。終点の室堂は標高2,450m。歩かずに着いてしまうぶん、身体だけが置いてけぼりになりやすいのじゃぞ。
ロープウェイは進行方向の左側が人気です。後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の稜線がきれいに見えるからですが、混雑期は座れないことも多く、そこは運次第というところ。


④ 室堂に到着|荷物はロッカーに預けて身軽に登る
標高2,450mの室堂に到着しました。富山県側から来る登山者や観光客とも合流するので、ターミナルはかなり混み合います。
ここでまず荷物を預けます。コインロッカーは小さいものが300円、大きいものが400円。今回は宿泊装備の入ったザックをロッカーに入れ、雄山へはトレランザックだけで登りました。みくりが池温泉に泊まるので、下山してから受け取れば十分です。




この「預けて身軽に登る」がボクの立山の定番なんだ。泊まりの荷物を背負ったまま雄山を往復するのは、正直しんどいからね。朝早い時間ならロッカーも空いてるよ。

身軽になるのは賛成じゃ。ただし雨具と防寒着だけは必ず持って上がれ。「すぐ戻るから」で置いていくのがいちばん危ない。3,000mの天気は、下から見上げて分かるものではないのじゃぞ。
らいちゃんの言うとおりで、標高2,450mの室堂から3,003mの雄山までは、ガスがかかると体感がぐっと下がります。ロッカーに預けるのは宿泊用の荷物だけにして、雨具の上下・軽量ダウン・日傘の4点は小さなザックに入れて持って上がりました。夏でも山頂はガスと風で一気に冷えるので、薄いダウンが1枚あると安心感がまるで違います。
トイレは室堂ターミナルの構内よりも、立山自然保護センターのほうが比較的空いていておすすめです。水は立山玉殿の湧水(たてやまたまどののゆうすい)で補給できます。驚くほど冷たい水が湧いていて、ここで満タンにしておくと安心です。





室堂に着いた直後は、身体がまだ高さに慣れておらん。着いてすぐ飛び出さず、水を飲んで少し休んでから歩き出すのじゃ。頭痛や吐き気が出たら、下りる以外に治す方法はないと心得よ。

焦らないのがいちばんの薬なんだよね〜。景色を見ながら、ゆっくりいこ〜。
⑤ 室堂〜一ノ越|花の道と、まだ残る6つの雪渓
室堂から一ノ越山荘までは、石畳で整備された道が続きます。傾斜はゆるやかでベンチも点在しているので、こまめに休みながら進めます。普段あまり登山をしない方も歩いている区間です。
そしてこの区間の主役が高山植物です。チングルマ、イワギキョウ、クルマユリ、ヨツバシオガマ。道の両側が花で埋まっていて、なかなか前に進めませんでした。







チングルマは、花のあとに残る綿毛のような姿が有名じゃな。じゃが諸君、あれは草ではなく木なのじゃ。地を這う枝が何十年もかけて少しずつ広がっておる。足元の一株が、おぬしより年上ということもあるぞ。

えっ、これ木なの!?ボクより年上……ちょっと踏めないね。

だから登山道の外には出ないんだよね。写真を撮るときも、道の上から。これは公式の利用マナーにも書いてあるんだ。

ここで少し花の話をさせてくれ。タテヤマリンドウはハルリンドウの高山型でな、日が差すと開き、曇りや雨では閉じてしまうのじゃ。「花が閉じておる」と思ったら、それは枯れておるのではない。天気待ちをしておるだけじゃよ。

ボクも花の名前を覚えてから、この道が何倍も楽しくなったんだ。チングルマ、イワカガミ、シナノキンバイ……名前が分かると、ただの「きれいな花畑」が「知り合いだらけの道」になる。……とはいえ、詳しさじゃ、らいちゃんには一生かなわないけどね!
歩いていると、道を横切る雪渓が次々と現れます。この日は全部で6か所。7月下旬でもこれだけ残っているのが立山です。











雪渓、走って渡りたくなる!……あ、らいちゃんが見てる。歩きます。

当たり前じゃ。雪の下がどうなっておるか分からん場所もある。傾いた雪渓は、滑れば止まらぬと思っておくのじゃぞ。

とはいえ、そんなに身構えなくて大丈夫だよ。怖いと感じたら、踏み跡の内側を、靴の裏全体でゆっくり置く。それだけでかなり違うんだ。不安なら先に渡ってみせるから、遠慮なく言ってね。みんなで渡りきったときの「越えられた!」が、この道のごほうびだよ。
このうちほとんどは、ほぼ平坦かしっかりステップが切られていました。今回はチェーンスパイクを使わずに通過できています。ただし4つ目の雪渓だけは注意が必要でした。斜めについた踏み跡が潰れて滑り台のようになっており、復路で難儀している方を何人も見かけました。














登りは勢いで越えられても、下りは体重が前に乗るぶん怖いんだ。チェーンスパイクをザックに入れておくと、気持ちがすごく楽になるよ。

使わずに済めばそれでよい。持っていて使わなかった日が、いちばん良い日じゃ。
❄️ 雪渓の状況(7月下旬に歩いた記録)
室堂〜一ノ越の間に6か所。ほぼ平坦か、ステップが切られていました。この日はチェーンスパイクなしで通過できています。
ただし4つ目は復路で滑りやすく、下りは特に慎重に。
※雪の状態は日々変わります。時期が早いほど残っているので、不安な方はチェーンスパイクを携行してください。

白い穂を立てておるコバイケイソウにも触れておこう。この草は毎年そろって咲くわけではなく、数年に一度、示し合わせたように一斉に咲く年がある。今年の立山はまさにその年じゃった。斜面が白く埋まる景色は、狙って見られるものではないぞ。
ここで実際に使った・持っていた2つを置いておきます。花の名前が分かると、この道は何倍も楽しくなります。






一ノ越山荘が見えてきたね〜。ここまで来ると、雄山はもう目の前なんだよね。

コース定数だけでなく、「富山県 山のグレーディング」(富山県が体力度と技術的難易度を数値・記号で示した公式の指標)でも位置づけを確認しておきましょう。自分の経験と照らして「今の自分に登れるか」を判断する材料になります。
⑥ 一ノ越〜雄山山頂|ガレ場の登りと、標高3,003mの神社

稜線に出たらイワギキョウとチシマギキョウを見比べてみよ。よく似ておるが、チシマギキョウは花の内側に白い長い毛があり、花は横を向く。イワギキョウは毛がほとんど無く、やや上を向く。この2つを見分けられるようになると、稜線歩きが一段と面白くなるのじゃ。
一ノ越山荘でひと休みしてから、いよいよ雄山への登りです。見上げると、驚くほどたくさんの登山者が斜面に取り付いていました。
一ノ越山荘の前には公衆トイレがあります。利用は1回100円。手洗い用の水はないので、携帯用の消毒液があると便利です。







ここで小休止。コンビニで買った菓子パンが、こういうときは本当にありがたいです。

ボクもうお腹すいた!山頂まで我慢できるかなあ……。
ここから上は、登りと下りでルートが分かれます。赤いマーキングが登り、黄色が下りです。マーキングは非常にしっかり付けられているので、迷う心配はまずありません。
一方で足元はかなりガレています。自分が落とした石が下の人に当たらないよう、そして上から落ちてくる石にも気を配りながら登りたい区間です。





さあ、ここからが本番だよ。急がなくていいから、自分のペースでいこう。しんどくなったら遠慮なく「休もう」って言ってね。山頂は逃げないし、みんなでそろって立つから楽しいんだ。

ガレ場だー!ここ登りやすいよ、どんどん行こ!

こら。おぬしが蹴った石が、下の者に当たったらどうする。落石は「起こさない」のが第一じゃ。浮いた石を踏まぬこと、そして人の真上に入らぬこと。忘れるでないぞ。

立山は本当にいろんな人が登るからね。年齢も国籍もさまざま。だからこそ、自分が落石を起こさないって意識が大事なんだ。
ガレ場の登りは、風のない場所だと一気に汗をかきます。首に掛けた手ぬぐいと、塩分を戻せる梅干しが効きました。
この日はガスの中を歩く時間が長く、時折青空がのぞく程度でした。晴れれば暑く、ガスがかかって風が吹けば寒い。行動着の調整が忙しい天候です。





ガスの日って損した気分になるけどね〜、そんなことないんだよ。このあと、いいことがあるんだから。
山頂に到着しました。三角点があるのは社務所側で、雄山神社の峰本社はその先の岩峰の上です。お参りするには登拝(とうはい)の受付をします。料金は大人700円、小人300円。受付を済ませるとお守りと鈴をいただけます。

3,003m、登頂ー!みんな、よく歩いてきたね!ここまで来られたのは、こまめに休んで、落石に気を配って、一歩ずつ積み重ねたから。……そしてここからが後半戦。下りきって、温泉に浸かって、ごはんを食べるまでが登山だよ。もうひと踏ん張りいこう!







ここまで来たら、ぜひ登拝していってほしいな。標高3,003mでお祓いを受けられる場所なんて、そうそうないからね。

峰本社は岩の上に建っておる。順番待ちの列も風の通り道じゃ。待っている間に身体が冷えるから、一枚羽織ってから並ぶのが賢いぞ。
社務所ではカップラーメンも売っています。お湯と箸が付いて700円。食べ終わったゴミは社務所で引き取ってもらえます。ただし標高3,000mでは気圧が低く、お湯の沸点も下がります。




やった、カップラーメン!……あれ、3分たっても硬いよ?

標高が上がると気圧が下がり、水は100度より低い温度で沸くのじゃ。3,000mではおよそ90度ほど。ゆえに麺が戻りきらん。

それで長めに待ったら、今度は伸び伸びになっちゃった……。難しいんだよなあ。
山頂のトイレは社務所の裏にあります。1回100円。紙の備え付けがないので、必ず持参してください。使用後の紙は、目の前のゴミ箱に捨てる方式です。


⛩️ 雄山神社 峰本社(山頂)メモ
登拝料:大人700円/小人300円(お守りと鈴を授与)
受付:山頂の社務所(開設は夏山シーズン中)
トイレ:社務所の裏・1回100円。紙の備え付けなし(持参してください)
軽食:カップラーメン700円(お湯・箸つき/ゴミは引き取り)
⑦ 下山|ライチョウとの出会い、ザレた下りは慎重に
下山は黄色のマーキングをたどります。この下山路の左手はライチョウをよく見かける場所です。
この日も、1メートルほどの距離に静かに佇んでいました。鳴かないので、多くの登山者が気づかずに通り過ぎていきます。




ライチョウは天敵から身を隠すため、ガスや雨の日にこそ姿を見せる。晴天の稜線では岩陰でじっとしておることが多いのじゃ。見かけても、近づかず・追わず・餌をやらず。静かに見守るのが礼儀じゃぞ。

今年も会えた!何度見ても、この距離で会えると声が出そうになるよ。会えるかどうかは運だけど、下を向いて歩いてると気づけないんだよね。

ほらね〜、いいことがあるって言ったでしょ。
足元はザレていて滑りやすいので、最後まで気を抜かずに。立山はスニーカーで登っている方も一定数見かけますが、この下りに関しては、グリップのある靴のほうが安心して歩けます。


ザレた下りでいちばん効いたのが足元です。グリップのあるソールと、蒸れにくい5本指ソックスの組み合わせで、最後まで安心して歩けました。
⑧ みくりが池温泉に泊まる|標高2,410mの温泉と、山とは思えない夕食
室堂に戻ってきました。まずはホテル立山のティーラウンジ「りんどう」でおやつ休憩です。営業は9時30分から16時まで(ラストオーダー15時30分)。






シフォンケーキは、大人2人で分けてちょうどいいサイズだったよ。……もちろんボクは1人でぺろりだけどね!

ずるい!ボクの分は!?
そこから歩いてすぐ、今夜の宿であるみくりが池温泉へ向かいます。途中のみくりが池は、曇り空でも水の透明さがよく分かりました。晴れて光が差し込むと、驚くような青色になる池です。




みくりが池温泉はね〜、公式に「日本一高い場所にある天然温泉」と紹介されてるんだよ。標高は2,410m。白く濁って硫黄が香る100%かけ流しで、源泉は地獄谷にあるんだよね〜。
今回は8人部屋。敷布団・毛布・掛け布団・枕がセットされていて、シーツも清潔。枕元に電源があるのはありがたいところです。そして山小屋なのにドライヤーが使えます。





山小屋でドライヤーが使えるって、実はすごいことなんだ。しっかり乾かせるだけで、夜の冷えかたが全然違うんだよね。
お風呂は、湯船の右側が熱めでした。硫黄泉なので、上がるときはシャワーで温泉成分を流してから出るのがおすすめです。







そのまま出ると、あとで肌がむずむずすることがあるからね〜。さっと流してから上がるのがコツなんだよね。

そして湯上がりに水を飲むのを忘れるでない。標高2,400mでは、思っておるより身体から水が抜けておるのじゃ。
夕食は2回に分かれる時間制です。この日の献立は、夏野菜の冷たい豚しゃぶ、イサキの香草焼き、トマトサラダの酢味噌のせ、冷製冬瓜のカニあんかけなど。山の上とは思えない品数でした。



そして夕食!ボクは剱岳(つるぎだけ)盛りにしてもらったよ。……もちろん、このあとおかわりもしてる。

ボクも盛る!山盛りにする!

……おぬしら、明日も歩くことを忘れておらんか。
♨️ みくりが池温泉 メモ
室堂ターミナルから徒歩約15分。標高2,410m、公式に「日本一高い場所にある天然温泉」と紹介されている宿です(白く濁る硫黄泉)。
客室:相部屋あり。枕元に電源・ドライヤー利用可
お風呂:宿泊者は朝8〜9時の清掃時間を除く23時間いつでも
食事:夕食は時間制(2回制)/朝食は6:30〜8:00のバイキング(混雑時は6:00〜)
お弁当:1個1,000円。前日17:00までにフロントで申し込み
『喫茶みくり』8:30〜16:30(ブルーベリーソフト、えんま様のホットピザ)/16:30以降は談話室として利用可
『レストランみくり』11:00〜14:00(みくり丼、黒ラーメン、白エビコロッケ定食)
日帰り入浴:9:00〜16:00/大人1,100円・子ども800円(入湯税込。タオルは別途400円。状況により中止の場合あり)
🛜 みくりが池温泉には館内フリーWi-Fiがあります
標高2,410mでもネットがつながるのは、正直かなりありがたいところ。みくりが池温泉には館内で使える無料Wi-Fiがあります。日本語の宿泊案内には書かれていないのですが、公式サイトの英語ページに「We have Free Wi-Fi」と明記されています。
| 料金 | 無料。宿泊者は追加料金なしで使えました。 |
|---|---|
| つなぎ方 | Wi-Fiにつなぐと登録画面が出てきて、メールアドレスかSNSアカウントを登録すると使えるようになります。(この手順は公式サイトには案内がないので、ボクが泊まったときの流れとしてお読みください) |
| 電波の入り | 食堂と「喫茶みくり」ではしっかり入りました。いっぽう2階の居室ではほとんど入りません。公式サイトにも「共有スペースではWi-Fiが繋がります」とあるので、1階の受付まわりに設備があるのだと思います(ここはボクの推測です)。連絡や翌日の天気チェックは、1階にいるうちに済ませておくのが確実です。 |
| 注意 | 剱岳の剣山荘などで使える「au Starlink 山小屋Wi-Fi」とは別の仕組みです。みくりが池温泉はあのサービスの対応小屋一覧には入っていないので、「auなら無料/他社は有料」という料金の話もここでは関係ありません。 |
同じ立山でも、剱岳の剣山荘は衛星通信の「山小屋Wi-Fi」で、料金もつなぎ方もまったく違います。小屋ごとに事情が違うので、「山だからつながらない」とも「どこでもつながる」とも決めつけないのが安全です。
※設備や運用は変わることがあります。最新はみくりが池温泉 公式サイトでご確認ください。
⑨ イッチーの山旅セット|夏の3,000m級に持っていったもの
今回の立山に連れていった相棒たちです。標高3,000mの夏山は、晴れれば暑く、ガスと風で一気に冷える。その振れ幅に対応できる構成にしています。
山小屋に泊まるなら、ダウンパンツも一緒に入れておくと夜の快適さが変わります。消灯後に星空を見に外へ出るとき、上だけ着込んで下が薄いままだと、5分ももたずに部屋へ戻りたくなります。畳めば500mlのペットボトルほどの大きさなので、夏の山小屋泊でも1本しのばせておく価値があります。

宿泊装備の入ったテルス45は室堂のロッカーに預けて、雄山へはトレランザックで登ったよ。この使い分けができるのが、室堂を拠点にする立山のいいところなんだ。
持ち物チェックリスト(夏の立山・山小屋泊)
- レインウェア(上下)
- ウインドシェルまたは薄手のダウン
- 帽子・サングラス・日焼け止め
- 手袋(ガレ場と防寒用)
- ヘッドランプ
- 行動食と水(1〜1.5L目安・湧水で補給可)
- トイレットペーパー(山頂トイレは備え付けなし)
- 小銭(トイレ100円・登拝料700円)
- 着替え(山小屋泊用)
- モバイルバッテリー
- 健康保険証・登山届
- ファーストエイドキット
⑩ よくある質問(FAQ)
Q1. 立山黒部アルペンルートのきっぷは、予約しないと乗れませんか?
予約なしでも当日券で乗ることはできます。ただし夏のハイシーズンは当日券の窓口が混み合うため、事前にWEBきっぷを購入しておくほうが確実です。WEBきっぷはスタンダード商品なら利用日前日の15時まで、早割商品なら利用日の5日前または10日前まで購入できます(商品により異なります)。受け取りは、購入完了メールに付いてくるQRコードを入口駅の受取機にかざす方式です。
Q2. WEBきっぷを予約すれば、座席は確保されますか?
いいえ。公式サイトによると、指定できるのは入口駅(扇沢駅または立山駅)の乗車時刻のみで、座席指定はできません。復路やその他の駅からは、並んだ順での乗車になります。つまり予約は「その時刻の便に乗れる」ことを保証するもので、席の確保ではありません。眺めの良い席に座りたい場合は、結局は早めに並ぶことになります。
Q3. WEBきっぷの支払い方法に注意点はありますか?
あります。公式サイトには、支払いはクレジットカードの一括決済のみと明記されています(VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club)。デビットカードやプリペイド式のカードは利用できません。前日の夜になって決済できないと困るので、早めに手続きしておくと安心です。
Q4. アイゼンやピッケルはそのまま持ち込めますか?
そのままでは持ち込めません。公式サイトには、他の荷物を破損または汚損するおそれのあるものとして、アイゼンやスノーシューをザックに直接装着したままの乗車は認められないと記載されています。カバーや袋に収めてください。現地でも簡易カバーを購入でき、ポール・ピッケル・スノーシュー等向け(小)が200円、スキー・スノーボード兼用(大)が300円です(いずれも税込)。また立山高原バスでは、大きなザックはトランクへの積み込みになります。
Q5. 扇沢の駐車場には何時に着けば停められますか?
夏のハイシーズンは前夜のうちに埋まります。今回は深夜0時に到着した時点で、市営第1無料駐車場(170台)の9割が埋まっていました。朝5時には第2(60台)も満車、有料駐車場も6時30分頃には満車になっています。無料に停めたいなら前夜着、それが難しければ有料(12時間ごと1,000円・現金のみ)を見込んでおくと安心です。
Q6. 立山(雄山)は登山初心者でも登れますか?
室堂まで乗り物で上がれるため、標高差は約600mと大きくありません。コース定数も14で、初級から中級の範囲です。ただし一ノ越から上はガレた急斜面で、落石に注意が必要な区間です。また標高3,000mの高山であることに変わりはありません。履き慣れたグリップのある靴と、雨風をしのげる上着は必ず用意してください。
Q7. 7月下旬でも雪は残っていますか?チェーンスパイクは必要ですか?
7月下旬に歩いたときは、室堂から一ノ越の間に雪渓が6か所残っていました。ほとんどが平坦か、ステップが切られており、この日はチェーンスパイクなしで通過できています。ただし4つ目の雪渓は復路で滑りやすく、難儀している方を多く見かけました。雪の状態は日々変わり、時期が早いほど多く残ります。不安な場合は携行しておくと安心です。
Q8. トイレはどこにありますか?
扇沢駅(公衆・館内とも無料でウォシュレット付き)、室堂ターミナルと立山自然保護センター、一ノ越山荘前(1回100円)、雄山山頂の社務所裏(1回100円)にあります。山頂のトイレは紙の備え付けがないため、必ず持参してください。使用後の紙は備え付けのゴミ箱に捨てる方式です。
Q9. 雄山神社の登拝料はいくらですか?
大人700円、小人300円です。山頂の社務所で受付を済ませると、お守りと鈴をいただけます。三角点は社務所側にあり、神社の峰本社はその先の岩峰の上になります。
Q10. みくりが池温泉に泊まるには予約が必要ですか?
必要です。夏山シーズンは特に混み合うため、早めに予約してください。室堂ターミナルから徒歩約15分。標高2,410mで、公式に「日本一高い場所にある天然温泉」と紹介されています。山小屋ながらドライヤーが使え、枕元に電源もあります。夕食は時間制(2回制)、朝食は6時から8時の間で自由に取れます。
Q11. みくりが池温泉にWi-Fiはありますか?
館内に無料のフリーWi-Fiがあります。公式サイトの英語ページに「Free Wi-Fi」と明記されており、スタッフ募集ページにも「共有スペースではWi-Fiが繋がります」と書かれています(日本語の宿泊案内ページには記載がありません)。接続にはメールアドレスかSNSアカウントの登録が必要でした。電波は食堂や「喫茶みくり」ではしっかり入りましたが、2階の居室ではほとんど入りませんでした。なお、剱岳の剣山荘などで使える「au Starlink 山小屋Wi-Fi」とは別の仕組みで、みくりが池温泉は同サービスの対応小屋一覧には入っていません。
Q12. 高山病が心配です。どう気をつければいいですか?
室堂は標高2,450m。乗り物で一気に上がるため、身体が高さに慣れていない状態で歩き始めることになります。頭痛・吐き気・強い倦怠感などが出たら高山病のサインです。対策の基本は、室堂に着いてすぐ歩き出さず少し休むこと、こまめに水分をとること、ゆっくり歩いて息が上がりすぎないようにすることの3つです。症状が出たときにいちばん確実なのは高度を下げることなので、無理に山頂を目指さず引き返す判断も持っておいてください。体調に不安がある方は、事前にかかりつけの医師にご相談ください。
Q13. 帰りの最終便は何時ですか?下山時刻はどう逆算すればいいですか?
運行時刻は時期によって変わるため、必ず公式の時刻表で確認してください(立山黒部アルペンルート 時刻表(公式))。アルペンルートは乗り物の乗り継ぎなので、室堂で最終便に間に合っても、その先の乗り継ぎに間に合わなければ通り抜けできません。扇沢へ戻る場合は室堂から4つの乗り物を乗り継ぐことになるので、最終便の時刻から逆算して、余裕をもった下山計画を立ててください。山頂での滞在時間や、下山後のティーラウンジ(16時まで)も含めて組み立てると安心です。
まとめ|手軽さと3,000mが同居する、毎年行きたい山
真夏の立山は、標高2,450mまで乗り物で上がれるという手軽さと、3,000mの高山であるという事実が同居している山です。だからこそ、きっぷの段取りと装備だけは手を抜かずに向かいたい山でもあります。
そのうえで、この時期の立山にしかないものが確かにあります。登山道を埋める花、まだ消えない雪渓、ガスの中からふいに現れるライチョウ。そして下山後に待っている、稜線の温泉と夕食。
毎年行きたい山、と最初に書きました。今年も、その理由をひとつずつ確かめられた一日でした。次は秋の紅葉の時期にも歩いてみたいと思っています。

登って、浸かって、食べて、眠る。ぜんぶ入って一泊なんて、贅沢だよね〜。
YAMAPの活動記録はこちら → 🌸お花が満開の立山(雄山)🌼
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・【立山GW完全ガイド】雄山登頂・ライチョウ・雷鳥荘(前編)
・【立山GW完全ガイド】雪の大谷・みくりが池温泉・猛吹雪の帰路(後編)
・白山 1泊2日登山ガイド|観光新道のお花畑・室堂泊
・山の花 見頃カレンダー|どの山でいつ咲く?
・【2026年版】登山ギアおすすめ大全
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