【遠征登山】モバイルバッテリーは飛行機に持ち込める?機内ルール・山小屋充電・発火対策の完全ガイド
飛行機や新幹線で遠くの山へ──いわゆる遠征登山が、当たり前になってきました。いま見頃を迎えた阿蘇くじゅう国立公園のミヤマキリシマを関東から飛行機で見に行く人、梅雨明けに北海道・利尻山や鹿児島・屋久島を狙う人も多いはず。そこで必ず引っかかるのが「モバイルバッテリーって飛行機に持ち込めるの?」「山小屋で充電できるの?」という問題です。
結論から言うと、モバイルバッテリーは預け入れ手荷物(受託手荷物)に入れると全面禁止。機内に手で持ち込むしかなく、しかも容量(Wh)でルールが変わる。さらに山中では低温・圧迫・経年劣化が重なって発火リスクが上がります。この記事では、飛行機・新幹線・電車の持ち込みルール、山小屋の充電事情、そして発火を防ぐ2つの装備までを、登山者目線でまるごと整理します。

遠征登山、楽しいよね。でも空港の保安検査で「これ預けられません」って言われて青ざめる人、毎年けっこういるんだ。今日は飛行機・新幹線・山小屋ぜんぶの“電池ルール”を、ぼくが先に整理しておくよ📖

うむ。諸君、モバイルバッテリーは便利な反面、扱いを誤れば最も身近な発火源じゃ。ルールを知らずに遠征へ出るのは、地図を持たずに縦走するようなものじゃぞ。
🔥 先に結論:遠征登山の“電池の正解”はこの2つ
細かいルールは後で読めば大丈夫。飛行機でも山小屋でも“安全に運んで・安全に使う”ための答えはシンプルです。
① 耐火袋(不燃袋)に入れて運ぶ──機内の手荷物でも、ザックの中でも、共用充電棚でも。これ1枚で延焼リスクを最小化。¥1,000台の一生モノの保険。
② 半固体電池モバイルバッテリーに替える──発火しにくい新世代。遠征前に買い替えるなら今。
▶ 「なぜそれで安全になるのか」は ⑦対策A(耐火袋) / ⑧対策B(半固体電池) で詳しく。もっと深い解説は 双六小屋モバイルバッテリー禁止令の記事 もどうぞ。
📋 この記事でわかること
① なぜ今、遠征登山で“電池問題”が切実なのか
登山は「近場の日帰り」だけのものではなくなりました。いま阿蘇くじゅう国立公園のミヤマキリシマがちょうど見頃で、関東や関西から飛行機で熊本・大分入りして平治岳や大船山を歩く人が増えています。夏が近づけば北海道・利尻山(稚内からハートランドフェリーで鴛泊港へ)、鹿児島・屋久島(鹿児島から種子屋久高速船トッピー/ロケット、またはフェリー)も本格シーズン。いずれも「移動が長い・現地で買い足せない・電波が不安定」という共通点があります。
しかも今の登山は、YAMAPやジオグラフィカでのGPS、写真・動画、モバイルSuica/モバイルPASMOでの交通決済、天気・運行情報の確認と、スマホの消費電力が一昔前とは桁違い。遠征登山=モバイルバッテリー必携と言って差し支えありません。だからこそ「飛行機に持ち込めるのか」「山小屋で充電できるのか」を、出発前に正しく押さえておく必要があります。

ミヤマキリシマのピンクの斜面は、それは見事じゃ。じゃが諸君、感動の一枚を撮るにもバッテリーが要る。“電池切れで写真が撮れなかった”は、遠征では本当に悔いが残るぞ。


✈️ この記事は「実際に飛行機で遠征登山している人間」が書いています
筆者はこれまで、九州・くじゅう連山(ミヤマキリシマ)、鹿児島の百名山・開聞岳、九州の秘境・大崩山(おおくえやま)、そして屋久島(鹿児島まで飛行機 → 種子屋久高速船「トッピー」で上陸)など、飛行機を使った遠征登山を実際に重ねてきました。本記事の機内ルールや容量設計は、その実体験に基づいています。



② 飛行機の機内持ち込みルール
まず大原則です。リチウムイオン電池のモバイルバッテリーは、預け入れ手荷物(受託手荷物)に入れることが全面禁止。スーツケースに入れて預けるのはNGで、必ず機内に手で持ち込みます。さらに2026年4月24日搭乗分より、ICAO(国際民間航空機関)の国際基準改正と国土交通省の指針改正にともない、ANA・JALなど国内各社で「持ち込み個数」と「機内充電」のルールが変更されました。最新の取り扱いは次のとおりです(出典は記事末尾の一次情報・出典に明記)。
| 項目 | 取り扱い(2026年4月24日搭乗分〜・ANA/JAL) |
|---|---|
| 預け入れ(受託手荷物) | ✕ 全面不可(スーツケースに入れて預けられない) |
| 機内持ち込み(容量) | ワット時定格量 160Wh以下 のもののみ可 |
| 機内持ち込み(個数) | 1名様につき2個まで(新ルールの最重要ポイント) |
| 160Wh超/Wh表示が不明 | ✕ 機内持ち込み・預け入れともに不可(Wh不明は160Wh超と同じ扱い) |
| 機内での充電 | 座席電源からモバイルバッテリーへの充電は禁止/モバイルバッテリーから機器への充電は控える |
| 機内での保管 | 頭上の収納棚に入れず、目の届く場所で管理(JALは2025年7月8日〜明文化) |
Wh(ワットアワー)の計算式は Wh = 定格容量(Ah) × 定格電圧(V)(ANA公式の計算式)。mAh表示なら Wh = mAh ÷ 1000 × 公称電圧(約3.6〜3.7V)。10,000mAhなら約37Wh、20,000mAhでも約74Wh。登山で使う10,000〜20,000mAh級はすべて160Wh以下=持ち込みOKです。ただし新ルールで個数は1人2個まで。これからは容量よりも“何個持つか”が実質的な制約になります。本体のWh表示が無い・消えて読めないものは「160Wh超」と同じ扱いで持ち込めません。出発前に必ずWh表示を確認してください。
あわせて機内での扱いも厳格化されました。座席の電源からモバイルバッテリーを充電するのは禁止、モバイルバッテリーから電子機器を充電するのも控えるよう各社が案内しています(事実上、機内ではモバイルバッテリーを使わない運用)。さらにJALは2025年7月8日以降、頭上の収納棚に入れず、常に目の届く場所で管理するよう明文化。発煙・発火に即対応するためです。国際線・LCCは基準が異なる場合があるので、搭乗便の公式案内を必ず確認してください。根拠資料は記事末尾の一次情報・出典にまとめています。

ぼくの場合は10,000mAhを2個。新ルールは「160Wh以下を2個まで」だから、これがちょうど上限ぴったりで一番ムダがないんだ。“1個の超大容量”より“中容量2個”が、新ルール的にも安全的にも正解だよ。
③ 新幹線・特急・電車での扱い
新幹線・特急・在来線では、モバイルバッテリーの持ち込み自体に容量制限はありません。PSEマークのある正規品を普通に携行できます。ただし「絶対に安全」ではないのが要注意ポイント。実際、車内や駅でモバイルバッテリーから発煙・発火するトラブルは毎年起きています。混雑した車内やザックの中で強く圧迫されたり、膨らんだ電池をそのまま使い続けるのが典型的な原因です。
遠征の行き帰りは、新幹線・特急で長時間ザックを座席下や網棚に押し込む場面が多いもの。このときバッテリーが本やテントポールに圧迫されない位置に入れておくこと、そして膨張・変形しているバッテリーは旅に持って行かないことが、何よりの予防策です。ここでも耐火袋に入れておけば、万一車内で異常が起きても延焼を抑えられます。

鉄路は容量無制限ゆえに油断しがちじゃ。じゃが、発火に新幹線も登山道も区別はない。“膨らんだ電池は使わない・持ち歩かない”。これは諸君が今日から守れる鉄則じゃぞ。
④ 山小屋・テント場の充電事情
「山小屋に泊まれば充電できる」と思い込むのは危険です。実際は充電できる小屋のほうが少数派で、できても有料・本数限定・夜間の発電時間のみ・行列といった制約が普通。天候が悪ければ太陽光発電が振るわず、充電サービス自体が止まることもあります。今回テーマの3エリアで具体的に見てみましょう。
| エリア | 充電の現実 | 必要なバッテリー戦略 |
|---|---|---|
| 阿蘇くじゅう (ミヤマキリシマ) | 日帰り中心だが、坊ガツル泊・法華院温泉山荘利用も。稜線上の避難小屋に電源は無い前提。 | 日帰りでも10,000mAhを1個。撮影が多いミヤマキリシマ期はGPS+カメラで消耗が早い。 |
| 利尻山 (北海道) | 基本は日帰りピストン。山中に充電できる小屋は無い。フェリー・飛行機の待ち時間も電池を食う。 | 前夜の宿で満充電+10,000mAh携行。長い登り+下りでGPSログを取り切る容量を。 |
| 屋久島 (縄文杉・宮之浦岳) | 行程が非常に長い。山中の避難小屋(新高塚など)は無人・電源なし。宮之浦岳の縦走は1泊2日が基本。 | 縄文杉日帰りでも20,000mAh級、宮之浦岳縦走なら20,000mAh+予備。雨が多く乾かない前提で防水も。 |
ポイントは「現地では基本的に充電できない」と割り切って容量を持っていくこと。そして大容量を1個に頼るのではなく、中容量を2個に分散すれば、1個が不調でも行動を続けられ、機内ルール(160Wh以下・1人2個まで)にも収まり、発火時の被害も小さくできます。

きのちゃんは下山してからが本番なんだよね〜。屋久島なら尾之間(おんせん)、利尻なら下山後の温泉でぷはぁ〜。…でも山ん中じゃ充電できないから、結局バッテリーは持ってくしかないんだよね〜。

テント泊なら小屋の充電なんて関係ないっ!おこ、モバイルバッテリー2個ガン積みで岩場もキレットもガンガン行っちゃうよ〜!写真撮りすぎて電池すぐ空っぽになるけどね、えへへ!

おこちゃん、勢いは良いが“撮りまくって電池切れ”が一番悔やまれるのじゃぞ。諸君、現地で充電できぬ前提で容量を見積もる——これが遠征の鉄則じゃ。
⑤ 容量(mAh/Wh)の選び方早見表
スマホ1回の満充電に必要な容量はおおむね3,000〜5,000mAh前後(機種・劣化で変動)。GPSアプリを動かし続け、寒さでバッテリーが弱る山では消費が想定より2〜3割増えると考えておくと安全です。遠征の行程別の目安は次のとおり。
| 行程 | 推奨容量 | Wh換算(3.7V) | 機内 |
|---|---|---|---|
| 日帰り(くじゅう・利尻など) | 10,000mAh ×1 | 約37Wh | ○ |
| 1泊2日(坊ガツル泊など) | 10,000mAh ×2 | 各約37Wh | ○ |
| 屋久島・縄文杉日帰り(長時間) | 20,000mAh ×1 | 約74Wh | ○ |
| 屋久島・宮之浦岳縦走(1泊2日) | 20,000mAh + 予備10,000mAh | 約74+37Wh | ○(各160Wh以下・計2個まで) |
表のとおり、登山で現実的に使う容量はほぼすべて160Wh以下=機内持ち込みOK。ただし新ルールで1人2個までなので、「大は小を兼ねる」と巨大な1個に頼るより、10,000〜20,000mAhを2個までで組むのが、新ルール・重量分散・故障時のリスク分散すべてで有利です。

“2個持ち”はぼくの遠征の鉄板。1個を行動用、もう1個はテント・宿で充電する用に役割分担。これで「全部空っぽ」の最悪は起きにくいよ。
⑥ なぜ山で発火するのか(遠征で重なる3つの要因)
リチウムイオン電池は、内部で正極と負極が薄い膜(セパレータ)で仕切られた構造です。この膜が傷ついて正負極が触れると内部短絡→急激な発熱→熱暴走(発火)に至ります。遠征登山では、この引き金になる要因が同時に重なりやすいのが怖いところです。
- ① 物理的な圧迫・衝撃:ぎゅう詰めのザック、岩への打ちつけ、満員の新幹線。セパレータが傷つく最大要因。
- ② 低温下での充電:寒い山中・テント内での充電は電池に大きな負担。氷点下での充電は特に危険。
- ③ 経年劣化・膨張:数年使った電池、膨らんだ電池は内部がすでに傷んでいる。遠征は“一番くたびれた電池”を持っていきがち。
つまり遠征登山は「圧迫」「低温」「劣化」が一度に揃う、発火条件が最もそろいやすいシーン。気圧の低下そのものが直接の発火原因になるわけではありませんが、すでに膨らんだ電池は機内・高所でさらに膨張しやすく、危険のサインです。だからこそ「運び方」と「電池そのものの安全性」の二段構えで備えます。

膨らんだ電池を“まだ使えるから”と持ち出すのは、ヒビの入ったヘルメットで岩場へ行くのと同じじゃ。遠征の前夜こそ、電池の点検を忘れるでないぞ、諸君。
⑦ 対策A:耐火袋(不燃袋)で運ぶ
もっとも費用対効果が高いのが耐火袋(不燃袋)。ガラス繊維などでできた袋で、万一バッテリーが発火しても炎と高温を内側に閉じ込め、延焼を防ぐ道具です。空港の手荷物の中でも、新幹線のザックの中でも、山小屋の共用充電棚でも、「電池はこの袋に入れておく」と決めるだけで、最悪の事態を1枚で大きく抑えられます。価格は¥1,000台から。遠征のたびに使える“一生モノの保険”です。
⑧ 対策B:半固体電池の新世代に替える
運び方の次は電池そのものを替えるアプローチ。近年登場した半固体電池(セミソリッドステート)のモバイルバッテリーは、電解液をゲル状にすることで液漏れ・発火のリスクを従来より低減した新世代です。「数年使った古いバッテリーを遠征のためにそろそろ替えたい」という人には、買い替え先として今いちばん理にかなった選択肢です。

ぼくのおすすめは「耐火袋は全員マスト、電池の買い替えどきの人は半固体へ」。この2つを組み合わせれば、遠征の電池まわりはほぼ無敵だよ💪
⑨ 遠征パッキング術(空港保安検査・ザック内の置き場所)
最後に、当日あわてないための実践テクニックです。
- 保安検査では“すぐ出せる場所”に:モバイルバッテリーは耐火袋ごとザックの雨蓋や前ポケットへ。X線検査で別途提示を求められても即対応できます。
- 預け荷物には絶対入れない:受託手荷物(預けるスーツケース)に入れると保安で止められます。必ず手荷物(機内持ち込み)へ。
- ザック内では圧迫されない位置に:テントポール・トレッキングポール・硬い食器と同じ区画に入れない。耐火袋+衣類でクッション。
- ケーブル類は分けて結束:バッテリーとケーブルが擦れて端子が傷つくのを防ぐ。
- 機内では手元管理:頭上の収納棚に入れず、座席前ポケットや膝上のサコッシュで管理。
- 出発前夜に点検:膨張・変形・異常な発熱がある電池は“持って行かない”。これが最強の対策。

準備の良し悪しは、出発前夜に9割決まる。電池の点検と耐火袋への収納、これを儀式にしてしまえば安心じゃ。
⑩ テント泊遠征の最重要注意:ナイフ・ガス缶・ライターは飛行機で没収される
テント泊の遠征では、登山道具より先に空港の保安検査でつまずく人が本当に多いです。実は筆者自身、十徳ナイフ・登山用ガス缶・ライターを何度も没収されてきました。テント泊に必須の道具ほど「危険物」扱いになるからです。ここも推測ではなく、ANA・JAL・国土交通省の一次情報で正確に整理します(出典は記事末尾の一次情報・出典に明記)。
| 品目 | 機内持ち込み | 預け入れ | 遠征での正解 |
|---|---|---|---|
| ナイフ類(十徳ナイフ・サバイバルナイフ・はさみ・カッター・ペグ用ハンマー等) | ✕ 不可(没収対象) | ○ 可 | スーツケースに入れて預け入れに。機内手荷物に入れると確実に没収 |
| 登山用ガス缶(OD缶・CB缶)/ホワイトガソリン等の燃料 | ✕ 不可 | ✕ 不可 | 飛行機では一切運べない。現地調達が絶対前提 |
| ライター | △ 身につけて1個のみ | ✕ 不可 | 小型の使い捨て1個をポケットに。ターボ/トーチ式・燃料リフィルは持込も預けも不可 |
| マッチ | △ 小型安全マッチ1個 | ✕ 不可 | ライターと合わせて「いずれか1個」。予備は持てない |
つまり——刃物は「預ければ運べる」、ガス缶は「そもそも運べない」、ライターは「1個だけ身につけて」。登山者がやりがちな没収パターンは、①ナイフを機内手荷物に入れて没収、②風に強いターボ式ライターを持って没収、③ガス缶を預け荷物に隠して発見・没収、の3つです。
ガス缶は「現地調達」が絶対前提
ガス(OD缶・CB缶)やホワイトガソリンは航空機で運べないため、遠征では現地で買うのが大前提。下山後に余ったガスも飛行機で持ち帰れません。対策は、①登山口周辺の登山用品店やモンベル/好日山荘の現地店舗を事前に調べる ②屋久島・利尻のような離島は在庫が薄いので、宿・ガイド・通販の現地受け取りで先に手配 ③バーナー本体・クッカーは飛行機OKなので本体だけ持参しガスは現地調達 ④下山時は使い切るか、現地の登山者・宿に適正に託す。

えっ、ガス缶って飛行機ダメなの!? テント場で棒ラーメン3人前ゆでられないじゃーん!どうしよ〜、おこの楽しみが〜!

おこちゃん落ち着いて〜。現地で買えばいいんだよ〜。きのちゃんはいつも登山口のお店でガス調達して、下山後の温泉と地メシまでがワンセット。あわてないあわてない〜。

そのとおりじゃ。バーナー本体とクッカーは機内・預けともに問題ない。ガスだけは現地調達——おぬしら、これさえ覚えておけば棒ラーメンは守られるのじゃ。

ぼくの結論はシンプル。「刃物は預ける・ガスは現地・ライターは1個・バッテリーは耐火袋」。これで遠征の保安検査はもう怖くないよ💪
ナイフは「預け入れ」、ライターは「身につけて1個」
ナイフ・はさみ・カッターなど刃物類や凶器になりうる物は、必ず受託手荷物(預けるスーツケース)へ。ライターは小型の使い捨てを1個だけポケットに(預け入れは不可)。ターボ式・トーチ式の風防ライターやガス/オイルのリフィルは持込も預けも不可なので、着火具も現地調達が無難です。少しでも不安な物は、保安検査の前にカウンターで「これは預けられますか?」と必ず確認しましょう。

ぼくも十徳ナイフとガス缶、何回没収されたか…。テント泊の遠征は「刃物は預ける/ガスは現地で買う/ライターは1個だけ身につける」。これさえ守れば保安検査で泣かずに済むよ。

道具を失えば、山行そのものが成り立たぬ。諸君、出発前夜に“預けるもの・身につけるもの・現地で買うもの”の3つに分けておくのじゃ。それが遠征の作法ぞ。
テント・バーナー本体・クッカーなどテント泊装備の選び方は 登山ギアおすすめ大全 にまとめています(ガス缶は現地調達が前提)。
よくある質問(FAQ)
Q1. モバイルバッテリーは飛行機に何個まで持ち込めますか?
2026年4月24日搭乗分より、ワット時定格量160Wh以下のモバイルバッテリーに限り、1名様につき2個まで機内に持ち込めます。160Wh超、またはWh表示が不明なものは機内持ち込み・預け入れともに不可。預け入れ手荷物には一切入れられません(ANA・JAL共通/ICAO国際基準・国土交通省指針の改正による)。
Q2. 登山で使う容量のバッテリーなら飛行機に持ち込めますか?
登山で一般的な10,000〜20,000mAh級(約37〜74Wh)はすべて160Wh以下なので容量面では問題なく持ち込めます。ただし新ルールで個数は1人2個までです。30,000mAhを超える大容量は本体のWh表示を必ず確認してください(160Wh超は不可)。
Q3. Wh表示が消えて読めないバッテリーはどうなりますか?
容量が確認できないモバイルバッテリーは、保安検査で持ち込みを拒否・没収される可能性があります。表示が薄い・剥がれているものは遠征前に買い替えるのが安全です。
Q4. 新幹線にモバイルバッテリーの容量制限はありますか?
新幹線・特急・在来線に容量制限はありません。ただし圧迫や膨張による発煙トラブルは起きています。膨らんだ電池は持ち歩かず、耐火袋に入れておくと万一のとき安心です。
Q5. 屋久島や利尻の山中で充電できますか?
基本的にできません。利尻は日帰りピストンで山中に電源のある小屋はなく、屋久島の避難小屋(新高塚など)は無人で電源もありません。現地では充電できない前提で、必要容量を持参してください。
Q6. 機内でモバイルバッテリーは使えますか?
2026年4月24日以降、座席電源からモバイルバッテリーへ充電するのは禁止、モバイルバッテリーから機器へ充電するのも控えるよう各社が案内しています。実質的に機内では使わず、頭上の収納棚に入れず手元で保管するのが原則です。
Q7. 耐火袋と半固体電池、どちらを優先すべきですか?
まずは耐火袋。¥1,000台で全員がすぐ導入でき、今あるバッテリーをそのまま安全側に寄せられます。電池の買い替え時期が来ている人は、あわせて半固体電池への更新がおすすめです。
Q8. 登山用のナイフやガス缶、ライターは飛行機で運べますか?
ナイフ・はさみ等の刃物類は機内持ち込み不可ですが、預け入れ手荷物なら運べます。登山用ガス缶(OD缶・CB缶)やホワイトガソリン等の燃料は機内持ち込み・預け入れともに不可で、現地調達が必須です。ライターは小型の使い捨て1個を身につけて機内へ(預け入れ不可、ターボ・トーチ式や燃料リフィルは不可)。ANA・JAL共通の扱いです。
まとめ
遠征登山のモバイルバッテリーは、①預け入れ不可・機内持ち込みは100Whが基準、②新幹線は容量無制限でも圧迫・膨張に注意、③山小屋・避難小屋は基本充電できない前提、という3点を押さえれば、ミヤマキリシマの阿蘇くじゅうも、利尻も屋久島も安心して計画できます。そして安全の決め手は「耐火袋で運ぶ」「半固体電池に替える」の2つ。どちらも一度そろえれば、これからの遠征すべてで効く投資です。
🔥 もう一度:遠征登山の“電池の正解”はこの2つ
細かいルールは後で読めば大丈夫。飛行機でも山小屋でも“安全に運んで・安全に使う”ための答えはシンプルです。
① 耐火袋(不燃袋)に入れて運ぶ──機内の手荷物でも、ザックの中でも、共用充電棚でも。これ1枚で延焼リスクを最小化。¥1,000台の一生モノの保険。
② 半固体電池モバイルバッテリーに替える──発火しにくい新世代。遠征前に買い替えるなら今。
▶ 「なぜそれで安全になるのか」は ⑦対策A(耐火袋) / ⑧対策B(半固体電池) で詳しく。もっと深い解説は 双六小屋モバイルバッテリー禁止令の記事 もどうぞ。

諸君、ここまでよく読んだのじゃ。装備は“知っているだけ”では諸君を守らぬ。出発前に手を動かして、初めて備えになる。良き遠征を、安全にな。
📚 一次情報・出典(最終確認:2026年5月)
航空ルールは推測ではなく、以下の一次情報に基づいています。規定は予告なく改定されるため、搭乗前に必ず各社公式をご確認ください。
- 国土交通省「モバイルバッテリーにおける機内持込みの新たなルールについて」(PDF)
- 定期航空協会「航空機内におけるモバイルバッテリーの取り扱い変更について」プレスリリース
- ANA 国内線 手荷物(モバイルバッテリーの取り扱い変更・2026年4月24日搭乗分より)公式ページ
- JAL モバイルバッテリーの機内持ち込み個数および充電に関するルール変更(2026年4月24日以降)お知らせ / 国内線 制限のあるお手荷物
- ANA/JAL「機内持ち込み・お預けできない危険物・刃物類」ANA / JAL(危険物の代表例)
- 国土交通省「機内持込み・お預けできない危険物の代表例」(PDF)
- 屋久島へのアクセス:種子屋久高速船(高速船トッピー&ロケット/鹿児島〜屋久島・種子島)公式サイト
- 利尻島へのアクセス:ハートランドフェリー(稚内〜鴛泊〔利尻〕・香深〔礼文〕)公式サイト
※LCC・国際線・他社便は基準や運用が異なる場合があります。最終判断は搭乗便の公式案内に従ってください。
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🐶 最後に、正直なお話
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